前回「RONIN」の評中にちょこっと出たラスト・サムライ。
『未見なので絶賛派ではない』と書いておいたが、折角なので観てみました。
正直に言おう・・・私はこの映画を・・・
絶賛する!
ある意味においては・・・・・・・
コレだけの大作であるし、アレだけウレた作品である、俄か映画評論家がウジャウジャの状態で(うぴーもソノ中の一人ではあるのだが)映画評はそこ彼処で散見され、洞察の深い評からオバカ評まで数多の評がネット上だけでなく乱舞している・・・
オバカ評はさて置きうぴーの趣味趣向により厳選された映画評サイトでもほぼ9割のサイトで評価が下されている、それらの評は概ね好/高評価ではあるが、ワリと『芯』に対しては手厳しい評も少なくなかったので期待しないで鑑賞に至った・・・・・
観終わった後の感想は・・・
素直にスゲェな!と思った、期待していなかった分“絶賛派”に与する事になってしまった・・・
でもね「感涙した」とか「武士道に感動した」とか「日本を研究してるなぁ」等とオバカ評者が言う意味ではなく、娯楽スペクタクル映画として、ハリウッド映画としての部位である。
うぴーのカテゴリー範疇では「インデペンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」の類である!!!?
戦闘シーンが凄かった!ハリウッド映画にしてはチンケなスケールの筈なのに?『日本』が舞台だから?日本人同士の戦いだから?なのかどうなのか?単純に前情報ナシで観たこの『合戦シーン』は素直にスゴイと思った!(俯瞰シーンが少なく寄りの構図が多かった所為だろうなぁ???)
諸手を振って「ヨカッタ!ヨカッタ」と吹聴するオバカ評者は多分宣伝やワイドショーの情報に踊らされているだけだろう(ワイドショー情報なんて宣伝以外の何物でも無いんだが・・・)
一家言ありそうな評でも“ツッコむ所はあるが日本をよく研究している”だとか“今までの勘違い日本描写とは違う”等と堂々と述べているが、果たしてそうだろうか?
あなたは(結構な動員数だったんだろ?)そう見えただろうか???
・・・チト脱線します・・・
自称「映画大好き」のうぴーとしては“映画”と言うものは『楽しいむの』であると何度か言ってきた。喜怒哀楽種類は多岐に渡るが観終わった後『楽しめたかどうか?』と言うのは重要である。
そして、ソノ責を全て『作品』に求めるのはどうか?と問質す事も大事である。“映画”とは劇場で鑑賞する為のものであり家庭の小さい画面で満喫できるものでは決してない!
今回のような自宅で「DVD鑑賞」とでもなれば本来「映画評」とはもう呼べないのであるであるが、それを言ったらオシマイなのでそこはカンベンしてもらうとして・・・そう、観る側の姿勢も大事なのである。
単純に言い換えると「期待して観る」のと「期待しないで観る」のでは当然同じ作品を観たとしても鑑賞後の評価は変わってくるでしょう?
人からタダで借りただとか、貰ったとかでない限りDVD鑑賞にだって代金(レンタル)が絡んでくるものだし、今の世の中2時間って言うのは結構貴重ある、それを有用とみなす為には「楽しまなくては」損ではないか!!!!!
うぴーの場合ココに書かれる評は酷評が多いが「粗を探す」と言うのも案外楽しい作業なのかもしれない・・・・・・
そう、切替えが大事なのだ!!!!!!
***閑話休題***
で、ラストサムライである。
うぴーは評自体を結構アチコチ読み漁ってストーリー的なものも各人の評価も粗方吸収しているがツメの部分まで書いてある評はまだ未見で温存してあるし(ネタバレ・・・みたいな)画そのものの情報は極力避けてきた、でもある程度の評からソレ程(世間一般的な大ブレイク)の期待感を抱かず(返って期待せずに)鑑賞に入った・・・・
そして、映画を楽しむ為にうぴーの鑑賞スタイルのスイッチが切換わった・・・・・
各評では「よく調べてはあるが各所にツッコミ所満載である」と言うのが大半である、ソレを踏まえて鑑賞に入ったものの・・主人公(トム)が日本に上陸する前にうぴーの思考スイッチは“コレはあくまでもフィクション(当然だが)これから日本へ向かって舞台は日本になるのだろうが、そんな事ぁ関係無い、この映画は単純なハリウッド映画だ、日本情緒だとか侍魂だとかそんなものは関係無い・・・”と言うポディションにカチャっと切り換った・・・
それでも「旧きよき日本情緒」とやらを散策しながら鑑賞していたがトムが日本に上陸して・・各々のシーンが進むにつれもうソォ言った小賢しい散策はとっとと止めて『素直に大作映画を鑑賞しよう』と言う気持ちになった・・・
コレこそがこの作品を素直に賛辞できた要因だと鑑賞後に思った・・・
「どう言う事?」ってか?
うぴーはもうこの映画の舞台が『日本だ』と言う事を根本的に頭の中から締め出した!
「日本に似てるどこか知らない異国の地」の物語・・・と言う事だ。
そもそもフィクションなんだからワザワザそんな風に思わなくたっていいのだけれども、下馬評自体が製作者の日本好きやら、下調べやら、コレまでに無い日本の描写!だとか言われたら期待や、細かい考証観察に入ってしまうではないか!トドの詰まり白人さんが描いている訳だし、自分だってそんな時代の日本に詳しい訳ではない、単純に異国の地の物語として物語りに入り込んだほうが楽しめる筈である!!!
そうやって観ていくとやっぱり創りはハリウッドな訳で、流れも展開もハリウッド方程式に則って流れて行く、特別脱線も奇策も無いし、ある意味安心して観ていられる・・・
物凄い乱暴に言うと・・・
物語ではトムくんは過去のインディアン虐殺のトラウマを持っている・・・ココヘ来てまた別のインディアンの部族と合間見えている!と思えばいい・・・・・
あくまでも白人の視点で描かれる物語であり、いくら今までよりもよく研究してるとはいえ白人さんから見た日本であり、多少の考証を無視したところでコレは日本ではないし、侍の描き方もステレオタイプだ!
所謂「フジヤマ、ゲイシャ、テンプラ、ニンジャ」の日本観と実は大して変わりは無い!!!(おぉ、断言したよ)
森の真ん中に、入り口が障子で出来た掘建て小屋があり、そこにはニンジャの衣装を着た人がお茶を飲んでる・・・・みたいなのと殆んど同じだ。
そりゃ言い過ぎだよ!って思う?いや、同じだ!違うのは製作者サイドの思い入れの個所である!「ニンジャ」に思い入れがあるか?「日本」に思い入れがあるかなのだ!
「日本」オタクが作った「日本」に好意を持った人が作った欧米視点のハリウッド映画!と言う事だろう。オリエンタルムードに憧れる?と言った要素は漂うが、肝であるかのように言われている「侍魂」の様な部分は何も描かれてはいない、描かれているのは「侍」ではなく「サムライ」なのだ・・・・・・(ワカル?)
結局ソォ言うところを突っ込みたくなっちゃうんだが・・・逆にソォ言う観点で、視点で(日本が舞台ではない・・・)この作品を観ていくと素直にオモロイ!と思える。実は見せ所の「合戦」だって今のハリウッド映画のスケールで言ったら全然規模は小さい!でも撮影、演出が巧いのでちゃんと“見せ場”として成立している!
アップ、スローを多用して擬似スケール感を上げている、それはそれで大成功をしていると思うが一つだけ苦言を呈するとすれば、その演出のお陰で?いや、実スケールの規制?の所為か?全体を俯瞰するシーンが無い(無くはないのだが)ので地の利を生かしたサムライ側の作戦の動向を把握し難い・・・何処に何が配置されているかが把握できないので画面的興奮は得られるが知的興奮が得られないのだ・・・・・
映画的に注文をつけるとすればそれくらいか?
後のツッコミ所は「日本ではない」と言う視点にすれば何も文句のつけ様はない!「ソォ言う土地柄なんだよ」「ソォ言う風習なんだよ」と思えば納得出来る・・・?実際「日本っぽい」から日本人が文句を付けたくなるだけなのだ。
映画評に全然なって無い気がするが・・・(汗
兎に角2時間越えの作品を長いとは感じずに一気に観通せた作品!ちゃんと『大作』たりえている作品に仕上がってると思う。
既に時遅しだが(遅過ぎる)劇場で観たかった・・・・・
追記・・・
今回はまたまたDVDでの鑑賞・・・
最近は吹き替え版で鑑賞する事が多いのだが、このラスト・サムライ、原語選択ところに何やら注釈が付いてる(ナンテ書いてあったっけ?)まぁ、いいやと思って日本語吹き替え版を選択したのだがコレが新しい試みなのか?
いや、新しい事ではないのだが、海外ニュースの紹介シーンの様な???様は原語(英語)も聴こえる、そして吹き替えがそれにカブって聴こえてくるのだ!
ふ~~~ん・・・
と最初は(映画の吹き替えとしては)斬新ではあるな、と思って観ていたのだがどうもコレを長時間だとキツい・・・・
しかも日本人の台詞はそのまんまだし、しかも、しかも、この映画はちゃんと日本人が日本語を喋っているもんだから?英語の原語が裏でペラペラやってる部分との「音」の差が耳に心地悪いのだ・・・
早急に音声出力を切替えました・・・もちろん吹き替え版・・・ではなく、原語版でね!
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