2009/11/11

DEVILMAN:デビルマン

デビルマンを観た・・・・
ちょいと前に流出した?アニメの実写版ラッシュ時の作品だ。
どうでしょう?

さぁさぁ、今度は「デビルマン」だ、どう料理されているのか?
「VFXは頑張っているらしいが作品としての評価はそれほど高くない」と言った批評が多いので期待しないで観てみましょう(爆



いい意味でも悪い意味でも期待を(しないでって言ったけど)裏切ってくれた作品だった。
予告編やらPOPからの予想では妖鳥シレーヌとの大バトル云々、バリバリのアクションを想像していたのだがそうではなかった。
先に批評した「CASSHERN」と同じく?人間の愚かさを描いた世紀末抒情詩・・・?的な作品だ。

演出力に難は在るが脚本は結構ヨクまとまっている、まぁその脚本も陳腐さは拭えないのだがそれは監督の腕次第で傑作にも駄作にも成り得る!
脚本からしてダメダメな作品では監督の手腕でもどうにもならないが、この作品の作品は料理次第では傑作に成り得る脚本だと思う・・・・「昔ならね」と言う注釈が付くが・・・・まぁ「今」であっても佳作には成り得る作品だった筈なんだが・・・・

ストーリーやテーマとしては既に多くの作品で語られているものなので斬新さは無い、普遍的(映画的に)なテーマを「デビルマン」を借りて語っているに留まる、ソレがイイとかワルイとかではなく、だからこそ骨子自体はワリとしっかりしてるので演出次第でどうにでもなると言う事だ。

前半の展開はやや緩慢に感じるがそれは後編への伏線であり総じて悪い展開ではない、タダ・・・シレーヌのシーンが生きていない・・・「デビルマン」と言えば「妖鳥シレーヌ」である、当然脚本も監督もスタッフもその辺は判っているのであろう?だからこそのシレーヌの筈だ・・・だが、ストーリー的にシレーヌは要らない脚本に仕上がってしまっている、

ある意味「デビルマン」でなくてもいいテーマを扱っているので「シレーヌ」も無くていい・・・と言う事になってしまう、製作がわにデビルマンへの熱き想いがあるが故に登場したであろう「シレーヌ」だが、置くべきポイントを見失い「無くてもいいシレーヌ」になってしまったのだ!惜しい・・・・
実際の原作を読破した事が無いのでいい加減な事は言えないが、原作のテーマがそうなのか?この映画がオリジナルなのか?実際の原作に沿ったテーマだったとしてもこの作品にはシレーヌは要らなかった・・・・
数回登場する永井豪氏(原作者)の表情は映画の演出的なものなのか?作品を憂いでいる表情なのか?????

傑作(佳作)に成り得る作品だったのだが、やっぱり駄作に成ってしまった原因は・・・・・(爆
肝心なトコが宙ぶらりん。。。全部が宙ぶらりんなのだ。
▼「デビルマン」を描きたいのか?
▼CGがヤりたいのか?
▼人間を描きたいのか?
▼アイドル映画を作りたいのか???

▼「デビルマン」を描きたいのか?
繰り返すが原作の内容は知らない、あくまでも素人パンピー的な考察で言うと「デビルマン」と言われれば「アレは誰だ!誰だ!誰だ!?アレはデビル!デビルマァ~ン!デビィ~ルマァ~ン♪」「だぁれも知らない知られちゃイケェなぁいぃ~~~♪」のアニメ版のデビルマンである。
CCCでも肩透かしを喰らったがコレも結局はアニメ版とは異なるデビルマンである。デビルマンはアニメ版は元より原作や世界観をも伴ってファンがいて原作はアニメ版とは違いダークなモノ・・・程度の知識はある、その世界観がある程度認知されていると言う意味では「CASSHERN」ほどの受動的落差は無い、あぁ、こぉ言うモノなのね・・・で収まりはするものの、終息する先が映画的にはステレオタイプのものになってしまったので結果的には「デビルマン」でなくてもいい・・・と言う感覚が拭えない、デビルマンだからこそ!と言う『一撃』が無いのだ。

▼CGがヤりたいのか?
邦画の基準から言えば大健闘?なのかな?描き込みは凄いんだけどどうも違和感が?画的には凄いのに何故?と思ったのだが・・・
技術的には描き込みが凄いだけ・・になってしまうのだろうか?流行りのモーションキャプチャーは導入されているのか?動きが滑らかでない・・とは言い切らないが何がヘンなんだろう?
丁度ゲームの3D画面のようなのだ、アクションゲームに挿入されるデモムービーの様な感じと言うだろうか?キレイで滑らか、なのに作り物バリバリで生気が無い・・・リアルっぽいだけ・・・・
比べては申し訳ないが(双方に)ジュラシックパークのT-REXが本物のように見えたのに対しデビルマンのそれはやはり作り物の域を脱していない、しかも映画的にもシーンの繋がりの格差が大きい!ストーリー的にではなく画面が変わっちゃうのだ、場面転換としては許容出来るとしてもあまりにも格差が大きすぎる、CGに力が入っている証拠でもあるとは思うが技術の為の映画ではなく映画のための技術だと言う根本を読み違えている気がする・・・・・

▼人間を描きたいのか?
人間と書いたが、テーマは人間の中の醜い部分を描いている、だが、それを表現するのにあまりにも多くの人を描き過ぎた・・・と言っても暴れる群衆とかそう言ったモノまで括っている訳ではない、不動明、飛鳥了、牧村美樹&家族、渋谷飛鳥、←が助ける少年、大体その辺だろうか?
ストーリーとしては全てが微妙に絡まって・・・・巧い絡みだとは思うんだが脚本が悪いのか?演出が悪いのか?全てが空回りしている。もう少し絞って深く掘り下げた方が深みが増した気がするのだが?
演出の所為だけでは無い事は後述・・・・

▼アイドル映画を作りたいのか???
根本的に間違っている部分がココだ!
「アイドル映画?」と思われた方は居るかな?
イチイチ名前はワカランので書かないが、アイドルと言うかそんなモンが総出演なのである。
全国美少女コンテスト何々賞受賞者!ジュノンスーパ^ボーイコンテストで特別賞獲ったヤツ(違ったっけ?)が主要キャラに充てられている、シレーヌもモデルさん(結構有名だよね?名前知らんけど)だ。
そして、この映画の全てをブチ壊しているのがこの役者達だ!役者等とは呼びたくもない!!!!もう下手とか言うレベルではない!学芸会以下の演技である。
眼が死んでる、動きに精彩が無い、セリフが読めない&棒読み、アドリブと言うか考えて体を動かせない、役の意味を理解してない、映画を理解していない・・・・・
役も映画も理解していない上に下手(役者じゃないし)なので感情がほとばしるという画が撮れる訳が無い!!!!
この映画の監督は何を基準に各シーンにOKを出したのか?
結局上記全てのダメ出し項目の根本的要因はこの出演人の演技に起因するモノと断言しても過言ではない!

「デビルマン」の何たるかを知らない(オレも知らんのだが、雰囲気すら知らないと思われる)輩が何を演じるのか?
CASSHERNCG/VFXシーンとの格差は演技シーンのドヘタクソがシーン格差を広げる大要因である。
棒読みのマグロ演技の登場人物に感情移入など出来る筈も無い!
アイドル映画ならもっとハッピーな能天気モノで充分だろ(観ないケド)
もう一回キャスト変えて撮り直せ!と言いたくなってしまう。

東映にアリガチな?B級オールキャスト演出?も何とかならんのか?
ボブ・サップ、小林幸子、きたろう、小錦・・・まだまだ小粒芸人が総出演している、イラン、要らん、いらん!!!!!みんな撃ち殺されちゃえばいいのだ(小錦は撃ち殺されてたなぁ・・・)
あれって伝統なのかな?なにかウラがあるのだろうか?観客が喜ぶとでも思っているのか?アルマゲドンの松田聖子を恥かしいと思わないのか?邦画の映画人は????

兎に角、それなりに卒なく仕上がっている脚本を出演者&監督(の所為だろうなぁ)が台無しにしてしまった作品である。
製作スタッフの「デビルマン」への愛情は少なからず感じる事が出来るのがせめてもの救いなのか?

宇崎、阿木夫妻が(巧い訳でもないのに)不憫だ・・・・・

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